変形性関節症と運動機能の低下の原因や影響

関節症・運動機能の低下

関節症・運動機能の低下

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関節症と運動機能低下の原因

関節は、骨と骨をつなぎ、滑らかな動きを支える重要な器官です。しかし、加齢や過剰な負荷、怪我、姿勢の悪さなどが原因で、関節軟骨がすり減ったり、関節を構成する組織が損傷したりすると、炎症から痛みや腫れが生じます。これが関節症のはじまりです。
関節症は放置すると、関節の動きが悪くなる可動域制限や関節自体の変形が進行し、日常生活に支障をきたすようになります。活動の減少で体力や筋力が衰え、運動機能が低下することも少なくありません。

関節症と運動機能低下の原因

関節症や運動機能の低下がもたらす弊害

関節症が進行し、運動機能がどんどん低下すると、以下のような弊害が考えられます。

・痛みや可動域制限による生活の質(QOL)の低下・フレイルの進行・健康寿命の短縮

フレイルとは、高齢者において筋力や体力の低下が進行し、身体的、精神的な機能が全体的に衰えてしまう状態を指します。この状態は、日常生活の質の低下や健康リスクの増大を引き起こしやすく[1][2]、健康寿命に悪影響を及ぼすことが懸念されます。

関節症や運動機能の低下がもたらす弊害

関連する疾患例

以下のような疾患で、生活の質やQOLへの弊害の可能性が考えられます。

疾患名 説 明 症 状 症状の現れる部位
変形性関節症 加齢や肥満、遺伝などが原因で、関節軟骨がすり減り、炎症が慢性化する。
  • 関節の痛みや腫れ
  • 水が溜まる
  • 可動域制限
  • 関節の変形
手、肩、股、膝、足など、全身の関節
半月板損傷 外傷もしくは加齢による変性で半月板に亀裂が入ったり欠けてしまった状態。
  • 関節の腫れ
  • 水が溜まる
  • 関節のひっかかり感
  • 鈍い痛み
膝関節
スポーツ障害 過剰な運動や間違ったフォームによって、関節や筋肉、靭帯などに損傷が生じる。
  • 運動中や運動後の痛み
全身
スポーツ外傷 打撲や捻挫、骨折など、外部からの衝撃によって関節や周辺組織が損傷する。
  • 腫れや熱感
  • 痛み
  • 内出血
  • 可動域制限
全身
腱板断裂 外傷、加齢、使いすぎなどにより、肩関節とつなぐ板状の筋腱が断裂する。
  • 肩を動かすと痛い
  • 可動域制限
  • 夜間痛
肩関節
痛風 尿酸の血中濃度が高まり、関節に結晶となって溜まることで、炎症が生じる。
  • 関節痛
  • 痛風結節
  • 可動域制限
  • 尿路結石
足の親指の付け根、アキレス腱、足の甲、手や膝関節など
関節リウマチ 免疫異常により、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊される進行性の病気。
  • 関節のこわばり・痛み
  • 関節の腫れ
  • 水がたまる
  • 関節の変形
手の指、手首、肩、膝、足首、足の指などの関節

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セルフチェックリスト

疾患のなかでも代表的な変形性関節症と、その影響で陥りやすいフレイル。
チェックリストでひとつでも当てはまる項目があれば、予防に取り組むことをおすすめします。

変形性関節症チェックリスト

  • 朝起きた時や長時間同じ姿勢をとった後、関節が痛くなる
  • 階段の上り下りや、立ち上がり、歩き始めに痛みを感じる
  • 運動後に関節が痛くなる
  • 関節がこわばる、動かしにくさがある
  • 関節が腫れている、熱っぽさを感じる
  • 関節を動かすと音がする
  • 関節の変形が見られる

フレイルチェックリスト

  • 意図せず体重が減少した
  • ペットボトルのふたが開けづらいなど握力低下を感じる
  • 以前より歩くのが遅くなった
  • 外出が減った
  • 以前より家事に時間がかかるようになった
  • つまづくことが増えた、または転びやすくなった
  • 動くとすぐ疲れを感じる

一般的な治療法

治療法 内容 課題
薬物療法 痛み止めや消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射などで痛みや炎症を抑える 一時的な効果で根本からの改善が難しい
リハビリ
テーション
関節の柔軟性を高め可動域を改善するとともに、筋力強化を目指す 効果が出るまでに時間がかかることや、痛みが強い場合は実施が難しい
手術療法 関節鏡手術や人工関節置換術など、外科的に損傷部位を治療する 身体への負担が大きいため、最終手段となることが多い

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